3月10日金曜日
社会で力をはっきする大人になるために
ちしきだけを暗記する学習ではダメなのではないか。
こうした前提に立って、今、教育界全体で試行錯誤しているのが、2020年に予定されている大学入試の変革です。
これまでの「センター試験」を廃止し、新たに「大学入学共通テスト」と称して、知識や技能だけではなく、思考力や判断力、表現力が求められるようになります。(なりましたね。)
従来通り、マークシート方式の問題も出題されるようですが、さらに思考力、判断力を向上させるために文部科学省は中学や高校の段階から教育内容を変えることに踏み切ったのです。
やや強行的な側面も否めませんが、社会に出た時に力を発揮するのはやはり知識のある人ではなく、誰もが思いつかないことを発想したり、難しい条件の中で適切な判断をする人たちです。
教育者として長く教壇に立ってきて感じるのは、子どもたちの記憶力、思考力の素晴らしさ。
私自身とてとてもかなわないと思わせられるせいと生徒がこれまでたくさんいました
今から20年前ほどのことですが、夏休みの課題の自由研究で、ある生徒が最優秀賞を取りました。
その生徒は、毎朝、ラッシュの時間帯に電車通学をしていたのですが、それを少しでも緩和できないかと考え、乗降者用のドアの左右の位置を互い違いにずらすというアイデアで自由研究を完成させました。
そうすることで、人の滞留を抑えられ、電車への乗り降りが随分と楽になると考えたのです。
大人にはない発想で、私自身、とても感心させられました。ホームの構造などの問題から実用化こそされませんでしたが、その生徒は現在、京都大学で学生に教えながら日夜研究に励んでいます。
教育の目的は、子どもたちを社会に出た時に飛躍できる人材に育てること。
そのために必要なことが知識よりも知能であることは明白です。